理事長基本方針BASIC POLICY
はじめに
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皆さんにとって青年会議所とはどのような存在でしょうか。どのような思いを持って日々の活動に取り組んでいますか。私たちは様々なJC活動を通じて、自立心や責任感、チームで働く力など青年経済人として必要なスキルを身につけることができたり、また市民の方々やJCの先輩方との繋がりを持つことができたりと多くの魅力ある機会を得ることができます。それら活動に取り組むことができる背景には、自身を支えてくれる仲間や家族、会社、そしてこれまでの歴史というものが存在します。そのことを忘れてしまってはいないでしょうか。どこか自分自身で限界を設定することで心に余裕がなくなり、自分本位の視点にとらわれていないでしょうか。
長崎青年会議所は、原爆が投下された僅か7年後、1952年に12名の発起人を中心とし、42名の仲間が集まり発足されました。修練・奉仕・友情の三信条のもと、明るい豊かな社会を実現するため、72年もの歳月を重ねてまいりました。歴史を作り上げてこられた諸先輩方が、どんな状況下の中でも歩みを止めずに運動を展開してきたからこそ、「今」の長崎青年会議所があります。私たちはこの歩みを止めず、与えられた機会に敬意と感謝の気持ちを胸に、チームー丸となって日々邁進していかなければなりません。
まちづくり
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造船、水産、観光を基幹産業とする地方の中核都市・長崎市は、古くから海外文化の窓口として発展し、諸外国との交流を通じて豊かな文化を育んできました。その長崎市も今、100年に一度の変革期と言われ、新幹線や長崎スタジアムシティの開業など、大きな変化を迎えています。この変化は、人口減少等の長崎市が抱える深刻な問題との関係において大いに期待されています。ただ、それで終わるのではなく、人々がこのまちにおいて、自分にとって何が大切なのか、「住みやすい」ではなく「住みたい」と感じるかどうかが重要です。自分が住み暮らすまちに対してどのような意識をもつか、どのような郷土愛を持つか、それを実感してこそ精神的な豊かさを持つことができます。長崎青年会議所として、日々変わる地域の問題点を把握し、地域の発展に向けて何ができるか、私たちがこのまちとどう向き合い、誇りに思えるまちを作るためにはどうすればよいのかを考え、実践していかなければなりません。
青少年の育成
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インターネットをはじめとする情報技術(IT)の進化によって、人々は様々な知識や情報を簡単に得ることが出来るようになり、また画面上であらゆることを疑似体験できるようにもなりました。その意味においては、ITのみによっても得られるものというのは近年目覚ましいものがあることは確かです。しかしながら、真に心に刻まれることとなる契機は実体験に他ならないのではないでしょうか。頭で考えるだけではなく、体験を通じてこそ様々な情緒や豊かな感受性が育まれることとなります。今を生きる子ども達にとって何が必要とされているのか、彼らの可能性を発掘し、将来に希望を見出せるよう、自己発見や自己実現のきっかけを与えていくことが重要となります。多種多様な職種、様々な分野におけるリーダーが集まる長崎青年会議所だからこそ、子どもたちに様々な価値観を感じることのできる機会を提供することができると確信しています。
会員の拡大
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全国的にも青年会議所の会員数は減少傾向にあり、長崎青年会議所も10年前には約170人いた会員も、現在では正会員が約100人となっています。この点について、私たちは心のどこかで、「長崎市の人口が減少しているからやむを得ない」とどこか他人事のように考えていませんか。私たちの運動を伝播させ、長崎青年会議所が地域に必要とされる組織として存在し続けるためには、生み出す効果を最大限にする必要があります。そのためには、会員を拡大させていかなければならず、諸先難方から引き継いできたものに加えて、より効果的な手法の検討が急務となります。
また、ただ「会員を増やせばいい」といった単純なものではありません。私たちの運動に共感し、長期的視点から見て互いに尊重しあえる「仲間」が必要です。会員一人ひとりが、組織の基盤としての拡大を自分事としてとらえ、皆ー丸となって、今後の長崎青年会議所の発展の基礎となる仲間を募っていきましょう。
効果を最大限に
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志を同じくするメンバーが相集い、組織の方向性を確認する重要な機会、それが例会です。「定款に義務として記載されているから参加する」ものではありません。義務感にとらわれてしまうことは、この貴重な機会の本来の意味を見失うことになります。会員が自然と足が向き、心待ちにするような例会となれば、その中で得られる効果もより大きなものとなります。そして、この例会における時間も個々の会員の大切な時間が投じられて成り立っていることを忘れてはいけません。青年の学び舎である長崎青年会識所において、自己成長を図り、その貴重な時間の中で得たものや気付きを家庭やビジネスに活かし、地域への還元と繋げることが重要です。
また、私たちがJC運動の効果を最大限に引き出すためには、個が結束し、信頼関係が基礎にあることが大前提となります。利害関係なく集まるからこそ、築くことができるものがあります。在籍年数の少ない会員が多くなってきた今だからこそ、交流を通じて、内外を問わずに改めてその関係性を構築していきましょう。
運動の伝播
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市民は長崎青年会議所のことをどれだけ認知しているのでしょうか。72年の歩みを続けてきてもなお、その認知度は十分なものとはいえません。あなたの家族は、会社の人は、友人は、長崎青年会議所がどんな団体であるか、団体のみならず会員が個としてどのような活動を行っているのか、正確に認識されているでしょうか。IT技術の進歩とともに、その発信方法は多種多様なものが生まれ、発信はしやすくなったのかもしれません。一方で、発信される情報は世の中に無数に溢れており、定型的な情報を発信するだけでは意味がありません。私たちの運動に関する情報は埋もれていないでしょうか。私たちの想いを伝播させるべく、情報の中身はもちろんのこと、発信の在り方を検討していきましょう。
そして、各種大会においても私たちの成長の機会は多く存在します。青年会議所に所属することができるのは40歳までです。限られた在籍期間だからこそ、一つ一つ訪れるその機会を活かさない理由はありません。積極的に多くの大会に参加しあらゆる機会を掴み、各地域の空気感を肌で感じることで新たな学びを得ましょう。
組織として
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長崎青年会議所は、組織として盤石な土台を築いてきたからこそ72年もの歴史を紡いでくることができました。長き歴史の中で連綿と引き継がれてきた伝統を守りつつ、時代の変化に対応した柔軟性のもと、多くのリーダーを輩出してまいりました。私たちは、ただこれまでの伝統を引き継ぐだけでなく、改善を繰り返し常により良い組織に生まれ変わらなければなりません。厳格さは保ちつつも必要に応じて時代に即した組織のあり方を見つめ直し、これまでの慣習にとらわれない組織運営にチャレンジしていくことで、組織力を最大限に発揮していきましょう。
結びに
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長崎青年会議所での多くの出会いが私を変えてくれました。誰しもがプライベートや仕事の中で自分の役割をもっています。その役割を果たしながら、自身の枠を少し超えて、少し背伸びをして真剣にJC活動に取り組むからこそ、喜びや悔しさを感じ成長することができます。出会いで人は変わり、想いや姿勢が変わります。世のため人のためが自分のためとなる、我々はその志を持っています。
まずは、今あるものを意識しましょう。目の前にあるものに、これまで築きあげてきたものに心から感謝を示すことから始めましょう。そこに意識が向けば、さらに一歩進むためには何が必要かということが見えてきます。誰しもが主体性をもって自然と活動に取り組むようになる可能性を持っているのです。長崎青年会識所を信じ、敬意と感謝の気持ちを持って取り組むことによって、自身の可能性あふれる未来への道筋が見えてきます。そこから自分自身が変わり、成長に繋がることで、この長崎の街の発展に寄与することになるのです。さぁ、ともに歩みましょう。